本日ここに　故　　　　　殿の社葬を執り行うにあたり、謹んで御霊前に哀悼の辞を申し述べます。
ご療養の甲斐も空しく、●月●日あなたの訃報に接し、わたくしども一同落胆哀愁この上なく誠に残念でなりません。
顧みなすれば、あなたは昭和●年埼玉県東松山市に呱々の声をあげられ、長じて進まれた第一高等学校では勉学に勤しむかたわら、山岳部に籍を置いて穂高などアルプスに挑み心身をきたえられました。そして昭和●年●●大学法学部を卒業の後、●●銀行に入行し経済人としての第一歩を踏み出され、同行では枢要な職に任じられてその手腕を遺憾なく発揮されました。
●年には●●銀行常務取締役から●●証券に転じられ、副社長として卒先垂範し、法人営業や国際業務など各部門の営業基盤の拡充に心血を注ぎ、今日の丸一証券の発展のために大変な尽力をされたのであります。
そして●年に私ども●●投信株式会社の社長に就任してからも縦横無尽にご活躍になり、また証券業協会理事の要職にあってひとり投資信託業界のみならず、広く証券界全般の発展のために大きく寄与され、そのご功績は内外から高く評価されているのであります。
さらにあなたが病床に臥され、闘病の苦難の日々を送られるようになってからも取締役会長をして、病いをおして最後まで奮闘努力されていた姿に対して、畏敬を追慕の念禁じがたいものがございます。
まさに当社の今日あるを得ますのは、偏にあなたの秀れたご見識と豊富なご経験をもとにしたご活躍と、卓越した指導力に負うところが大であります。今やわが業界はますます多事にして今後あなたのご指導を仰ぐべきこときわめて多い時期に、ご長逝になりましたことはまこと痛恨に堪えない次第であります。あなたが生前に残された数々のご功績を顧みまするにつけ、私どもはまことにかけがえのない人を失った哀惜の念に堪えないのであります。ここに改めて●●グループ各社の役職員になりかわりまして感謝申し上げる次第でございます。
この上は私ども一人一人があなたから受けたご薫陶をそのままに、全力を傾注して社業の発展を図ることこそが、あなたのご恩に報いる道であると信じ、その決意を御霊前にお誓い申し上げます。
悠久の空にある御霊の安らかなご冥福を祈りつつ、深い哀惜の思いを込めてお別れのことばと致します。

本日ここに●●株式会社 代表取締役社長 故　　　　　殿の社葬を営むに当り謹んで御霊前に申し上げます。
旧臘●日、●●病院にご入院になり静かにご療養のうえは、再びお元気なお姿に接しうるものと些かの疑念も抱かずにおりましたところ、●日忽然として幽明境を異にするに及んで私ども一同今更のように偉大な光明を見失った心持で今一度社長と呼ばせて頂きお別れの言葉を申し上げたいと存じます。
あなたは、昭和●年●月岡山県で出生なされ、第一高等学校を経て、昭和●年●●大学経済学部をご卒業になり、直ちに●●銀行に入行されました。
同行では早くから将来を嘱望され、ご要職を歴任なされましたが、昭和３７年、請われて●●株式会社の前身である●●製造株式会社に専務取締役として迎えられました。
爾来、経理担当役員として一貫して経営の合理化、財務体質の改善とご尽力なされ、その卓越した手腕をもって今日みられるが如き、健全経営の基盤を確立された所であり、この間、昭和●年代表取締役副社長に累進され、●年●月代表取締役社長に就任されました。
社長ご在任中は、時恰も両度にわたる石油危機があって、経営環境激変の時代でありましたが、眼前に生起する諸事象に対して常に総合的判断を誤らず、的確なる先見性をもって臨まれ特に黒鉛電極 カーボンブラックの両部門で名古屋工場および北九州工場の新増設をはじめとする生産設備の強化充実に尽力され、他方でまた京都研究所・九州研究所を新たに設置して、エネルギー新時代への技術的対応を積極的に展開されたのであります。
昭和●年●月 社名を現在の●●株式会社に変更いたしましたが、これは当時業容の変化に即応せんとする社長のご発案であり、ここの名実共に会社５０有余年の歴史に新しい足跡を残しつつ、今日業績の安定をみている所であり、この間のご功績は到底言葉では言い尽くせません。もはや社長の在りし日のご温容に接する術もなく、またご指導に預かることも出来なくなりました。突如としてのご長逝は洵に痛恨の極みでございます。
あなたは謹厳篤実のお人柄で、事に当たっては信念と決断の人でした。日頃なによりもまず仕事に対する誠意を重んじられ、それはまたご自身にも厳しく日夜社業発展のために、献身的な努力を払われましたことは、到底余人の及ぶ所ではなく私どもひとしく尊敬惜く能わざる思いでございました。かくてこのたびの訃報が伝わりますや畏くも特旨をもって、正五位勲三等瑞宝章が贈られましたことは、故社長のご栄誉はもとより私ども一同心からお喜び申しあげたいと存じております。
今やわが国経済はいよいよ多端の折柄、私ども一段の躍進を期する秋に当たり、突如として偉大なる社長を失ったのであります。洵に哀悼、追慕の念、禁じ難い所ではありますが、この上は生前のご薫陶そのままに遺されたご教訓の数々を体して、会社一致協力の実を挙げ社業一層の発展に揮身の努力を捧げることを誓うものであります。
社長どうか安らかにお眠りください。
ここに葬儀に当たって、心からのご冥福をお祈り申しあげ惜別の辞を捧げます。

謹んで　　　　　君の御霊前に告別の辞を申し上げます。
●●君、運命とは何と残酷なものであろうか。●年前、君の結婚式の仲人を務めさせて頂いた私が、今日こうして告別式で永訣(えいけつ)の挨拶をしなければならないとは未だに信じられません。
君の訃報はあまりに突然で、いまだ事実として受け入れられない気持ちでいっぱいです。
その後の経過は順調と伺っていたのに、容体が急変し、永眠されたと知らされ、ただあ然とするばかりでした。
●●部に配属されて以来、情熱をもって仕事に取り組まれていた君は、後輩諸君の目標であり、会社にとっては希望の星でありました。
奥様、お子様の悲しみは、察するにあまりあります。けれどもいつまでも悲しみに打ちひしがれていては、●●君も安心して瞑目することが出来ないでしょう。お子様のためにも、奥様にはどうか、一日も早く悲しみから立ち上がって頂きたいと存じます。
私どもも出来るだけお手伝いをさせて頂きます。
●●君、どうか安らかにお眠りください。

謹んで　　　　　君の御霊前に告別の辞を申し上げます。
この度は誠に突然の訃報に接し驚きと深い悲しみを禁じ得ません。去る５月末の懇親例会には少しご体調がすぐれないとのことでご欠席されましたが、次回には必ずお元気なお姿にお目にかかれるものと私は信じておりましただけに、悲しみがつのるのみであります。
●●君、君との出会いは昭和２５年４月大学の教室でした。私は田舎の高等学校から初めて東京に出て来ましたが、君はずっと東京で育たれ、一高より大学に入ってこられました。田舎より出てきた私には、君は非常に洗練された秀才との印象が強く、尊敬の念をもってお付き合いを始めさせて頂いたのであります。君は多くの本を読んでおられて教わる事が多く、又それ以上に温和なお人柄が特に親近感を私にもたらせてくれました。大学２年の夏休みには、一緒に富士山に登りました。少し時期遅れで寒かったのですが、人が少なくそれだけに清々しかったと語りあったことを覚えております。
物資不足、又何かと不便な時代でしたが、君と共に語り合い将来を夢見て過ごした３年の学窓生活を今懐かしく、つい昨日の様に想い起こす者の一人であります。
卒業後、君は東南電力へ私は昭和機械工業に入社、仕事も異なり勤務場所が離れてお目にかかる機会は殆どなくなりましたが、あの高度成長時代に君が技術・営業両分野において大変にご活躍されているお話は、よく伺ったものであります。
ご昇進を経て、君がその後企画室の要職におられた時、私は昭和機械の所沢工場を担当しておりました。一度是非日本の電力事情について私共工場幹部にお話をして頂きたいと無理を承知でお願い致しましたところ快く承諾され、丁度第１オイルショックより脱却の難しい時代でしたが、非常に広範な角度から有益なお話をして頂き、一同感銘した事は今でもよく覚えております。
その後、君が原子力開発本部副本部長にご就任された時は、原子力発電の重要性が一段と強調され始めた時でしたが、私達も原子力発電について君から多くのご指導を得る事ができた事は本当に感謝申し上げるものであります。そして君がわが国原子力発電の推進に強い責任感のもと、身をもって取り組まれていたお姿は今も私の記憶に新しいところであり、今日のわが国原子力発電の発展に大きな貢献をされたのであります。
君は６３年●●サービス株式会社の社長にご就任されました。先端ハイテク技術を必要とし、君にとっても新しい分野であったとおもいますが、非常な意欲に燃えておられました。
この間、２年前に一時期入院されご健康を懸念致しましたが短期間で退院され、ご退院後もお会いする度にこの新しい時代のコンピューター・情報産業について強い情熱をもって意見・抱負を語られ私共も今後のご活躍を大いに期待していた所でありました。
昭和５８年より君とは小唄の会で定期的にお会いする事ができました。群馬支店長時代に始められたとの事でしたが、数多くの小唄を覚えておられ何時の大変張りのあるよい声で非常に上手に唄われるのを感服して聞いたものであります。また、小唄だけでなく長唄も上手にこなしておられ君の立派なお人柄のかもし出す雰囲気と共に楽しませて頂いたのが思い出されます。
●●●君最初にお会いしてから４２年余りになります。君は生来の優れた才能と情熱をもってわが国電力事業の発展に大きなご貢献をされました。そして、また同時に長い間私達友人に多くのご助言・ご支援と共にご交誼を頂きました。本当に有り難うございました。
それと共に強く私の心に残るのは君の大きな包容力と本当に温かかったお人柄でした。
しかし今ここで友人を代表しこうして君に御報いする事もなく、お別れの言葉を告げなければならないのは誠に残念でなりません。
　どうか安らかなお眠りにつかれますようにお祈り申し上げます。
　それでは●●●君、深い哀悼の気持ちと共に心からさようならを申し上げます。

ここに謹んで故　　　　　君の御霊前に申し上げます。
同期入社社員を代表し、また君の数多い友人を代表して、今私が君の御霊前にお別れの言葉を述べるという思いもよらぬ悲しい役目を負うことになりました。
君は本年３月健康を害して入院されましたが、いずれ間もなくご本復のことと確信致しておりました。しかしその願いもかなわず幽明境を異にしてしまわれるとは痛惜の念、誠に切なるものがあります。
寝食を忘れてご看護されました奥様、ご家族の皆様のご悲嘆はいかばかりとお慰め申し上げる言葉もございません。
顧みますと、君は昭和１２年●●銀行に入行し、同期入社の私とは爾来半世紀以上の永きにわたって親交を重ねていただいて参りました。
戦時中は本店・支店とお互いに離れていましたが、戦後昭和２６年私が本店勤務となってからは、品川の社宅で全く家族ぐるみのおつき合いとなりました。
その後、秘書役や女子バスケットボール部長の職までも君のあとを引き継ぐなど毎日のように顔を合わせ、お互いに第二の職場に入ってからも親しいお付き合いが続いておりました。
君は同期の私共の中にあって年齢的にも、また学識人格の上からも兄貴的な存在であり同期の信頼を一身に集めておられました。
大変な読書家、勉強家であり、金融界のみならず社会全般の問題についてもすぐれた識見を持ち、当社の発展に大きな貢献をされると共に私達を啓発するところ、まことに大なるものがありました。
また、酒をこよなく愛し君を囲んで談論風発夜の更けるのを忘れたことも屡々であります。飄々酒脱の中に細かい心遣いがあり、君に接する人々を魅了して上司・同僚・部下からも広く敬愛されておられたのであります。
また、ご家族思いはひとしおであったと拝察致しております。ご健在の奥様とそれぞれ立派に成人された２人のお子様のご家族の方々と、共々に幸せそのものの理想的なご家族を築いておられます。最近タバコをひどく嫌い、私共同級生の会合にも姿をお見せになるこも少なくなっておりました。それにしても今一度お元気になられて、これからゆっくりとお酒を酌み交し乍ら静かに人生を語り、ささやかに社会を論じてお互いに晩年を楽しみたいと思っておりましたが、それも叶わなくなりました。淋しくてなりません。悲しくてなりません。
本日ご参列の皆様方も同じ思いに浸っておられることと思います。
別れに当たり、謹んで弔辞を捧げ君のご冥福と君が生涯愛され、互いに真実を語りあってこられた●●夫人をはじめ、ご遺族の方々のご平安を心からお祈りいたします。