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社葬後の処理

社葬後の事務処理は実行委員が中心となって各部署が分担することになります。
御礼の挨拶から文書や写真などの整理保管、人事や経理上の処理など、その対象は多岐にわたり大変な労力を要しますが、この事後処理を無事に終えてはじめて社葬が終了となります。

受付関係の処理

  • 社葬で集まる香典は非常に高額になるため、遺族からの依頼により会社が一時的に預かることもあります。
  • 最近は芳名カードを使用することが多くなりましたので、個々の香典金額は芳名カードに記入します。
  • 参列者・会葬者の名刺や芳名カードはすべて遺族に渡しますので、一度会社に持ち帰りコピーなどで控えを取るかパソコンでリストを作成します。
  • 芳名カードには住所・会社名・役職名・氏名・電話番号が記入されていますが、未記入の場合は関係部署で調べ、可能な限り完全に近い形で遺族に渡します。
  • 関係先への御礼や挨拶のため、参列者・会葬者リストを所管部署に配布します。

※最近では、葬儀会場にパソコンを持ち込み、その場で来場者リストを作成してしまう企業も増えてきました。

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御礼や挨拶

  • 社外の葬儀委員長や弔辞者などの特にお世話になった先、もしくは来賓の中でも重要取引先には、会社代表者と喪主が一緒に挨拶に出向きます。
  • その他の来賓や参列者に対しては、取締役や所管担当者が手分けして挨拶に回ります。
  • 遠方につき挨拶回りに行けないところは、お礼状を出すか会葬御礼の新聞広告を出してそれに代えます。
  • 供花・供物に対する御礼は礼状によって行います。
  • 弔電は欠礼状ですので本来は御礼の必要はありませんが、最近では供花・供物と同様に礼状により行うことが多いようです。
  • 宗教者への御礼は、喪家の菩提寺などであれば遺族と一緒に担当役員が出向きます。お布施もその際に渡します。
  • 葬儀社から紹介された宗教者の場合は、葬儀日程中にお布施を渡してしまえば、あらためて挨拶に出向く必要はありません。
  • 葬儀の翌日、参列できなかった社員にも朝礼などで報告と御礼を伝えます。社内報があれば記事にして全社員に読んでもらいます。

※遺族については、挨拶に出向くのか挨拶を受けるのかは企業により認識が異なります。何れにしても会社代表者のスケジュールを調整しておきます。

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弔辞・弔電・供花・供物の整理

  • 弔辞は遺族に渡します。
  • 弔電は遺族に渡しますので、一度会社に持ち帰りコピーなどで控えを取るかパソコンでリストを作成します。
  • 供花・供物は葬儀社よりリストを受け取り、コピーを取って遺族に渡します。
  • 御礼や挨拶のため、各リストを所管部署に配布します。

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記録のアーカイブ化

  • 社葬に関する報告書を作成保管します。また必要に応じて関係者に配布します。
  • 社葬に関する写真やビデオなどの記録物を整理保管します。
  • 来場者・弔電・供花・供物などの各リストを整理保管します。
  • 全体費用を総括し、会計報告書を作成保管します。

※社史編纂の際に資料として使用することがあります。ひとつにまとめて総務や広報などで保管してください。

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支払い

  • 宗教者へのお布施や献金は、菩提寺など遺族に関係がある先については、葬儀後に挨拶を兼ねて出向き、その際に支払います。
  • 社葬などの緊急時には支払いに関して経理上のルールも通常とは異なるようです。葬儀社と相談して支払日をお決めください。
  • 合同葬の場合は、遺族と会社で支払いを分担します。葬儀社に言えば、遺族用と会社用とに分けて明細書を作成してくれます。負担割合は社葬費用の税務上の取り扱い(リンク)をご覧ください。

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納骨・法要

  • 納骨や法要の際には遺族のご意向を伺ったうえで、生花を携えて立ち会います。
  • 年忌法要の対応は、社葬取扱規定などで決めておくと良いでしょう。

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中元・年賀・年賀

  • 遺族は、忌中であれば中元もしくは歳暮を控えることをおすすめします。
  • 年賀は年末に欠礼ハガキを出しますが、年賀状が送られてきた場合は寒中見舞いを送ります。
  • 法人企業は喪に服しませんので、中元・歳暮・年賀は例年通り行います。

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取締役や監査役が亡くなった際の手続き

  • 役員の死去により定款などで定める役員数を割る場合、臨時株主総会を速やかに開催し、後任の取締役もしくは監査役を選任します。
  • 選任する時期については定めがありませんが、選任してから2週間以内に変更の登記をする必要があります(会社法第915条第1項)。
  • 登記に必要な書類は「変更登記申請書」「株主総会議事録」「死亡診断書または除籍謄本」です。
  • 弔慰金(慰労退職金)は株主総会において決定しますが、通常は取締役会に一任します。
  • 業界団体、取引先、組合などに対して、新役員の就任を文書で通知します。

※弔慰金とは、役員の死亡時などに遺族に支払われる金品のことです。
弔慰金は法人税法上、社会通念上相当と認められる金額について、退職給与として取り扱わず損金処理できます。受取側においても、不当に高額でない弔慰金については相続税法上非課税となります。この場合「不当に高額」の判断基準は、死亡当時の普通給与の6ヶ月分(業務上の死亡の場合は36ヶ月分)を超えるか否かによります。

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総務部・経理部が行う主な手続き

退職金

  • 在職中に死亡した場合は、会社の就業規則や退職金規定、中小企業退職金共済法などにおける算定方法により退職金が支払われます。

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給与精算

  • 在職中に死亡した場合は就業規則に基づいて給与を精算し、その年の1月1日から死亡日時までの給与の額等を記載した源泉徴収表を発行します。
  • 未払いの給与もしくは交通費など支払われていないものがあれば精算します。

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社会保険と労災保険

  • 社会保険における埋葬料や遺族年金の手続きを行います。
  • 業務上死亡の場合は労災保険より遺族(補償)給付や葬祭料(葬祭給付)などが支給されますので、それに関する申請手続きを行います。

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団体生命保険

  • 故人が団体生命保険に加入している場合は、速やかに生命保険の受給請求を行います。

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社内預金や財形貯蓄

  • 故人が社内預金などを行っている場合は、速やかに精算するようにします。
  • 財形貯蓄の場合は取り扱い金融機関に連絡をします。

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持株の名義変更

  • 遺産相続後、持株の名義変更を行います。

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